ABOUT

全ての始まりはシルクスクリーンプリント発祥の地、岐阜から。

プリントブレインを始める1年前、私は勤めていた大手Tシャツプリント会社を退職し、次の道を探していました。そんな時、古い友人からオリジナルTシャツ作成の相談を受けます。彼は退職前にも旧勤務先でTシャツの注文をしてくれていました。プリントブレインもそうですが、業界の通例として「製作から1年は追加製作の場合版代無料」です。私は彼に旧勤務先で注文してくれれば問題ない、その方がお得である旨を伝えました。しかしながら彼はこう言ったのです。

「あの会社だから注文したのではない、あなたがいたから注文したのだ」


私はその会社に勤める以前からアパレル業界に身を置き、たくさんのメーカーや工場、ブランドと服を作ってきました。どのブランドもこだわりを持ってデザイン・製作をし、メーカーや工場はその思いに応えようとしています。

たかがTシャツプリント、といえどもこだわりを持ちたい私の思いを汲んでくれる友人は「コスト高でも構わない、あなたに製作を担当してほしい」とまで言ってくれました。旧知の工場で製作手配をするうち、ある思いが芽生えます。

ーオリジナルTシャツの仕事を続けるべきではないか?

 

Tシャツプリントの注文を楽しく、簡単に。プリントブレイン誕生。

数ヶ月のリサーチと準備を経て、20年以上携わったアパレル業界の経験と人脈を活かし、プリントブレインを立ち上げることを決めました。

「ブレイン」とはまさに「脳」です。オリジナルTシャツを作る、といってもお客様が考えなくてはならないことがたくさんあります。希望のデザインをプリントしたいのに版代、プリント代の計算がわかりにくく、それ以前にTシャツを選ぶところから見積り依頼が始まります。デザイン内容についてならまだしも、Tシャツの良し悪しなんてわからないのに、それを選ばないと見積もりが進まない。そんな楽しくないTシャツ作り、したくないですよね。大手にいたときには考えもしませんでした。

1対1だから親身になってお客様の希望を聞ける、お客様の代わりにベストなプランを考える優秀な「ブレーン」でありたい。そんな気持ちをそのまま屋号にしました。 

 

 

あなただけの特別な1枚を岐阜から全国へ。

プリントブレインを始めて、日本のプリント職人の高齢化と若年化が同時に発生していることを感じました。昔からお世話になっている工場では古参の職人さんがその技術を伝えることなくどんどんと退職していき、旧勤務先のように急成長した会社では若い刷り手がただ納期に追われてシステマチックにプリントをしています。「最短◯日で納品!」耳障りのいい謳い文句の裏で次世代の担い手は疲弊し、Tシャツプリントが好きどころか嫌気すら差してくる。そんな裏側を目の当たりにしてきた私は、「Tシャツが好き」「シルクスクリーンプリントが好き」心の底からそれを言える職人さんだけとお付き合いすることにしました。奇しくもそんな職人さんは年齢を問わず古参の会社にしかいませんでした。

たかがTシャツプリント、そのたかがTシャツにも情熱が込められ、市販のプリントTシャツとは違うオリジナルTシャツが出来上がる道筋ができたのです。

私たちプリントブレインが目指しているのは日本が持つモノづくりの技術の適正な伝承、そしてその技術の素晴らしさを適正な価格で伝える存在になること。オンラインサイトはその一歩にすぎません。

 

 

2021年夏、インクジェットプリンターの導入。

普段いただくTシャツ作成についてのお問い合わせの中で、特に多いのは

「オリジナルTシャツ1枚、いくらで作れますか?」

というもの。実際にシルクスクリーンプリントで1枚だけTシャツを作ろうと思うと版(プリント用の型)の費用の問題にぶつかります。シルクスクリーンプリントの仕上がりは本当に素晴らしく、職人の腕の見せ所なのですが、かかる費用をお伝えするとTシャツ製作を断念される方がほとんどでした。「楽しくオリジナルTシャツを作ってもらう」という基本スタンスに反することがとても歯痒い。せっかくお問い合わせいただいたお客様に製作断念が前提となるような金額提示をするのではなく、1枚だけでもオリジナルTシャツを作りやすい環境を作れないか。コロナ禍の需要減もあり、先の見えない状況の中設備投資をすることは容易なことではありませんが、インクジェットプリンタを導入することにしました。

シルクスクリーンプリントを推奨する立場から、これもポリシーに反すると思い悩んだものですが笑 たった1枚でも簡単にTシャツが作れてしまう。これは楽しい。いざ導入してみると思いの外お客様に喜んでいただけることがわかりました。

シルクスクリーンプリントでもフルカラー表現をする方法はあります。色分解プリント、と言いますがこれは先述の版代の問題に加え、技術力の問題もあります。インクジェットプリンタを持たない工場さんはたくさんあります。色分解プリントの技術がない、色分解プリントではコストが合わず制作がキャンセルになる案件などB to CだけでなくB to Bでも需要があることも盲点でした。

タイミングよく同市内の障がい福祉施設からご縁をいただき、加工作業の一部を依頼することで、プリントブレインのオリジナルTシャツは、たかがTシャツでも社会福祉に貢献ができるTシャツになりました。

 

 

プリントブレインにとってオリジナルTシャツとは

Tシャツは私たちの情熱であり、プリントブレインを通して日本のシルクスクリーンプリント(捺染)の技術を発信し、その技術をご購入いただき、今の生活の基盤となっている存在です。もちろん仕事着も普段着もTシャツばかり着ますしね。

丁寧にインクを刷り込む作業、インクの乾く匂い、機械の作動音。Tシャツのプリントといえども、その裏側は思ったほど華やかではありません。しかしながら自分自身がオリジナルTシャツを手にした時の感動や喜びを思い出し、それをお客様にお伝えする。そのためにプリントブレインは一歩一歩進み続けます。

 

 

スタッフ